2004年10月03日

アレクサンドル・ネフスキー

アレクサンドル・ネフスキーアレクサンドル・ネフスキー
映画の場面に合わせた音楽が鳴る、これ当たり前のことである。登場人物の心境や動きに合わせた音楽が鳴るだけで受ける印象というのはかなり違うはずだ。
音楽によるそうした試みが初めて行われたのがこの映画だ。1938年公開のソ連映画で、監督は「戦艦ポチョムキン」や「イワン雷帝」で名高いエイゼンシュテイン監督である。

ストーリーは実在した人物、アレクサンドル公がドイツ軍の侵略に反旗をひるがえし氷上の戦いで見事勝利を収める、というもので単純といえば単純。しかし最近の映画で多用されているCG等の特撮技法は当然ながらひとつもない。退却するドイツ軍が割れた氷の下に沈んでいくという印象的な場面があるが、これももちろん実写。そういう「生きている映像」としての面白さがこの映画にはある。

ちなみに1938年のソ連といえばちょうどドイツと敵対関係にあり、この映画は国策映画として作られた。そうした背景を窺わせる意味でも貴重な映画と言えよう。

投稿者 ZnZn : 22:24 | コメント (260) | トラックバック