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2004年09月17日

マティス展@国立西洋美術館

マティス展に行ってきた。9月12日記事
前述の通りこの画家についてはほとんど知らなかったのだが、作風や技法についてわかりやすい解説がされておりなかなか楽しめた。
他の画家と違うなと思ったのは、「作品」というものに対する考え方だろうか。普通芸術家というものは完成した絵そのものだけを公開するものと思っていたが、マティスは完成した絵だけではなくそのプロセスも非常に大切にする。そのため描いている途中の絵を写真や映像に残し、それを絵と一緒に出品するのだ。今回の絵画展でもそういった映像や写真があり、そのプロセスにおける作品の変化を見ることができた。
また、一見シンプルかつ大胆に見えるマティスの絵だが、実はそうしたプロセスにおいて緻密な作業を伴っている(塗りなおしや削り取り等)。これは途中の写真だけではなく完成した絵でも認識することができる。つまり描いている途中で気が変わったということではなく、完成した作品における視覚的効果を狙ったものだ。
そういったことも丁寧な説明書きがあってこそ素人の私にもわかるのである。近代絵画に対する理解を深めるという視点から見ると非常に充実した絵画展だといえるだろう。

投稿者 ZnZn : 2004年09月17日 22:24

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