2004年10月02日

近代以降の絵画

グッゲンハイム美術館展
あまり時間がなかったのでひとつひとつじっくりは見ていないのだが、感想を。
この展覧会は7月から渋谷BUNKAMURAで開催されているもので、ニューヨークのグッゲンハイム美術館の所蔵作品を紹介している。同美術館はその時々におけるコンテンポラリーな作品を収集しており、一番古い作品でもルノワールの絵画だ。そのため先日も紹介したマティスやピカソ、シャガール、ミロ、最近のものではアンディ・ウォーホルの作品が並んでいる。それらの作品はほぼ年代順に並んでいる為、時の流れによる絵画の変遷(と言っていいものか・・・)がよくわかる。

最近の絵画になると「無題」のものが少なくない。思うにこれは「何かを表現した絵」ではなく「絵」以外の何物でもないのだろう。音楽にも「標題音楽」と「絶対音楽」があるが、絵画の世界ではこうした「絶対絵画」(と名づけておこう)とも言うべき作品がつい最近までなかったのだ。そんなことにふと気付きながら眺めていると今度は「絵とデザインの境界線」はどこだろう?などと気になってくる。

10月24日まで開催中

投稿者 ZnZn : 23:41 | コメント (1164) | トラックバック

2004年09月17日

マティス展@国立西洋美術館

マティス展に行ってきた。9月12日記事
前述の通りこの画家についてはほとんど知らなかったのだが、作風や技法についてわかりやすい解説がされておりなかなか楽しめた。
他の画家と違うなと思ったのは、「作品」というものに対する考え方だろうか。普通芸術家というものは完成した絵そのものだけを公開するものと思っていたが、マティスは完成した絵だけではなくそのプロセスも非常に大切にする。そのため描いている途中の絵を写真や映像に残し、それを絵と一緒に出品するのだ。今回の絵画展でもそういった映像や写真があり、そのプロセスにおける作品の変化を見ることができた。
また、一見シンプルかつ大胆に見えるマティスの絵だが、実はそうしたプロセスにおいて緻密な作業を伴っている(塗りなおしや削り取り等)。これは途中の写真だけではなく完成した絵でも認識することができる。つまり描いている途中で気が変わったということではなく、完成した作品における視覚的効果を狙ったものだ。
そういったことも丁寧な説明書きがあってこそ素人の私にもわかるのである。近代絵画に対する理解を深めるという視点から見ると非常に充実した絵画展だといえるだろう。

投稿者 ZnZn : 22:24 | コメント (0) | トラックバック

2004年09月12日

アンリ・マティス

マティス展
9月10日〜12月12日まで上野の国立西洋美術館で開催されている。
今度の週末にでも行ってみようかと思っている。というわけで感想は来週にでも。

実はちょっと前まで絵なんて全く興味がなかった。今でもこのマティスという名前こそ知っているがどんな絵を描くのかなんてことは全然知らない。だから見に行きたい、それだけの動機である。
そもそも絵に興味が出てきたのは数年前、ブリジストン美術館で開催されたルノワール展に行った時のことだ。たまたま友人に誘われて見に行ったルノワールの絵画だが、特別感銘を受けることなく、見る前と大して印象は変わらなかったと思う。
決してつまらなくはなかったがどうも馴染めない、そんな印象を持ちながらひと通りルノワールの絵を見て出てきたところにブリジストン美術館の所蔵作品の常設展がこじんまりと開かれているのが目に入った。そこで見たのがモネの絵であった。ベニスの夕焼けを描いた絵であったがその色がなんとも言葉では表現できないほどに美しく、その中に建物の影が浮かんでいる非常に幻想的な光景だった。
この絵に出会ってから積極的に絵画展に出かけるようになった。そして今度はマティス展を見に行こうと思い立ったわけである。もっとも私がこれまで見てきたのはモネ、ルノワール、シスレーといった印象派の画家達でマティスは全く系統が違うのだろうが、見たことのない絵に接することによりまた新たな世界が開ける、そんな気がしてならない。

非常に楽しみである。

投稿者 ZnZn : 22:26 | コメント (0) | トラックバック